安心・安全な製品の供給

ヤマシンフィルタは、事業を通じて社会の持続的な成長の一助となることで、企業価値の向上を図るとともに、持続可能な社会の実現に向けた貢献を積極的に行ってまいります。

研究開発

活動ハイライト

取り組みの柱

直近の取り組み

  • 社会課題解決を念頭に置いた開発
  • ダントツのスピード感を持った開発で変化に対応
  • 資源の有効利用、廃棄物削減に資する革新的なフィルタの開発
  • コロナ禍による感染拡大防止への貢献のため、企画から約3か月でマスクの開発を実現

研究開発に対する方針

当社が解決に貢献すべき社会課題を「環境、空気、健康」に定め、建設機械用フィルタ、エアフィルタ、ヘルスケアの3領域を軸に、総合フィルタメーカーとして高付加価値製品を創出するための研究開発に取り組んでおります。

 

研究開発体制

お客様が求める新たな機能や製品を提案するために、フィルタ専門メーカーとして研究開発を最も大切にしています。
当社の研究開発は「研究開発規程」に則って遂行され、「企画・開発提案書」を開発本部で集約してプロジェクトとして推進しています。デザインレビューや、トップマネジメントも含めた会議体での仕分けによって、プロジェクト継続の可否を判断しています。開発本部に所属して研究開発に携わる社員は80名を超えており、企業規模からは群を抜いて大きい開発部門であるといえます。横浜(杉田)の開発センタ、横須賀のメディアラボ、佐賀事業所、さらに中国の蘇州開発センタに人員を配置しています。
これらの部門では、1~5年先の製品群を想定した中期視点の開発(新製品開発)と、長期視点でメーカーとしての基礎技術を蓄積する研究(基礎研究)を、開発設計部とR&D部にて担当しています。独自ろ材の開発、フィルタ性能評価のための試験分析、製品化に向けた開発試作・量産評価、さらには使用済み製品の性能評価まで、技術ノウハウの蓄積と新たな製品提案を日々行っています。
これらにより、いわゆるプロダクトアウトではなく、お客様や市場が求める製品を開発し提供する力(マーケットイン)を高めることになり、ヤマシンフィルタグループを支える屋台骨となっています。
 

研究開発目標の設定

2020年度(第66期)における研究開発目標では、次期モデルフィルタの開発をはじめとして、下記のような開発テーマをピックアップし、成果創出に向けて取り組みました。
 

第66期 主要な開発テーマ
 

  1. 次世代モデル搭載用フィルタ開発(エアレーション対策等)
  2. ICTフィルタ開発(差圧センサ等)
  3. 農業機械向けフィルタ
  4. ナノ繊維を活用した製品開発   ほか

重点開発テーマ

研究開発においては、変化への対応と、スピード感を持つことを念頭に、お客様からの要望や、社会的な要請など、環境の変化にすばやく対応するために、設計から試作までの時間を短縮した開発を推進しています。
 

「油の中の空気」に挑む~エアレーション対策~

オイル内に存在する空気(エア)は、オイルの力を伝える機能を低下させ、結果として建設機械の作業効率低下や故障発生の原因になっていました。「ごみを取るフィルタにてエアを取ることができないか」という挑戦を繰り返す中、エアレーション対策を実現した建設機械用のフィルタが開発されました。またエアレーション対策は油量の削減をもたらし、建設機械の小型化にもつながります。

エアレーション対策を取り入れたフィルタケースアッセンブリのイメージ図
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エアレーション対策を取り入れたフィルタケースアッセンブリのイメージ図

「フィルタとICTの融合」~フィルタセーバー技術~

建設機械用のフィルタは汚れを取る消耗品であり、必ず交換されます。これまではまだ使えるフィルタ状態であっても外からでは汚れ具合が分からないため、あらかじめ設定された使用時間によって交換をしていました。
フィルタの目詰まり具合を、ICT技術を活用することで、交換時期や寿命予測まで可能とするのが、当社が開発した差圧センサです。お客様のコスト改善だけでなく、製品の長寿命化や資源の有効利用にもつながる技術です。

差圧センサ(フィルタセーバーのキー・コンポーネント)のイメージ図
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差圧センサ(フィルタセーバーのキー・コンポーネント)のイメージ図

「究極のヤマシン・フィルタマスク®」の開発

新型コロナウイルス感染の拡大によってマスクが店頭から消えた状況を受け、2020年初めにマスクの開発に着手。ろ材の開発、形状の検討、検証・評価を業界でも例を見ないスピードで実施し、2020年5月にオンラインショップでの販売を開始。感染拡大の抑制に貢献しました。

2020年より開発・販売を開始した「究極のヤマシン・フィルタマスク®」
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2020年より開発・販売を開始した「究極のヤマシン・フィルタマスク®」

社会貢献活動起点の研究開発

油吸着材 「アブソーバル.™」

災害や事故を原因とした重油等の流出は、生態系を破壊するだけでなく、地域住民にも大変な苦痛をもたらします。2019年8月に佐賀県で豪雨による重油流出被害が発生した際に当社製品を提供したこと(参照:「油吸着シートの提供」)をきっかけとして、当社は油漏れや浮上油の回収、海洋・河川の水質汚染防止を目的とした油吸着材「アブソーバル.™」を新たに開発しました。
この製品は、自重の20倍の油を吸着して回収作業のスピードを上げ、環境への負荷を軽減させることができます。
 

研究機関との連携

国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構との共同開発

既存のIoT技術では実現困難である超微細なごみの検出や、大きな温度分布や激しい流動が存在する過酷環境下での動作、測定等を可能とする革新的センシングデバイスの研究開発を、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構と共同で行っています。
 

横須賀イノベーションセンタ(仮称)

新たな研究開発拠点として、横須賀リサーチパーク(YRP)内に建設中の横須賀イノベーションセンタが2022年2月に稼働を開始する予定です。これによって、現在、横浜開発センタと横須賀メディアラボに分散している研究開発拠点を集約し、開発機能のさらなる強化とスピードアップを図ります。実機試験場も新設するなど、ろ材の開発から形状設計、試作、評価、実機試験までを一気通貫して行える研究開発体制を確立することで、環境に優しくお客様のニーズに寄り添える新製品の開発につなげます。

「横須賀イノベーションセンタ」(仮称)完成イメージ図
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「横須賀イノベーションセンタ」(仮称)完成イメージ図

品質

活動ハイライト

取り組みの柱

直近の取り組み

品質方針に基づく品質管理の徹底

  • 経営に直結した品質管理システム
  • 現場の声を基にした品質管理における改善
  • 多様な技術を持つ人材育成、ICTの活用による品質の維持
  • 品質不良 100ppm(製品100万個あたりの不良品の個数)以下、事故0件等を目指すKPIの策定・現場での改善活動

品質に対する方針

当社は、品質マネジメントシステムに関する国際規格であるISO9001:2015(JIS Q 9001:2015)認証を取得し、社内に設置したISO事務局のもとで、各種規程に基づいた品質管理を実行しています。
 

品質管理の体制

品質管理体制図

品質向上のために工程不良率の数値目標を定め、この指標を管理しています。毎月の不良発生率は、佐賀事業所とセブ工場それぞれの生産拠点の状況を品質保証本部が把握し、目標達成状況に応じた是正処置・予防処置が取られています。
また重大な不良が発生した場合は経営会議の議題とし、その原因・対策等の適切性を審議しています。
 

品質管理に関する取り組み

改善活動

生産拠点では、「ムリ」「ムダ」「ムラ」の3点に着目した、「『3ム』メモ」による改善活動を実施。佐賀工場では、安全、品質、工程の改善に関して、全ての社員が月1件以上の提案を行っています。
常に変化のある生産現場では、改善活動に終わりはありません。設備を停止させず、稼動率を上げるために、小さなことでも厭わずに改善を続けています。

 

人材育成

単なる作業内容の周知徹底ではなく、作業の意味、機器の原理や技術など、作業者全員に対して本質から業務を捉える教育を行っています。原理を知ることで、問題を理解し対処法を考えることができ、提案力の強化を通じて自律的改善ができる人材へと成長します。また、従業員の成長を促すために多能工化(さまざまな作業ができる人材への成長)を推進しています。

 

ICTを活用した高度な標準化

作業者は、電子化されサーバーに蓄積された作業標準書を、生産ラインに設置されたタブレット端末で見ることができます。これにより、作業者によるムラを大幅に軽減し、人が変わることによる作業効率の低下の防止等、効率化と安定化を図ることができるようになりました。改善提案も、サーバーのデータを修正することで、即時に反映することができます。

 

工程内の端末にて作業標準書を確認する作業者
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工程内の端末にて作業標準書を確認する作業者

サプライチェーンマネジメント

活動ハイライト

取り組みの柱

直近の取り組み

  • サプライヤーと連携した、責任ある調達の推進
  • 調達活動を通した地域社会への貢献
  • サプライヤーとの「パートナーズミーティング」に25社が参加(2021年7月実施)
  • 国内外のサプライヤーへの監査(リモート含む)を約30社に実施
  • マスクの受託生産による地域経済の活性化への貢献

責任ある調達と貢献

当社のサプライヤーは200社を超え、その約半数が、工場を置くフィリピン、中国、ベトナムなど海外の企業です。調達する物品の品質レベルが当社の基準に合致した場合は、できるだけ現地の企業から調達・購入することで、現地における雇用の拡大や経済の活性化に間接的に貢献することを意識しています。2021年には、北海道の七飯町でマスクの委託生産を開始して新たな雇用を生み出し、町からも評価されました。
また、紛争鉱物は当社では一切使用しておらず、サプライヤーにおいても使用していないことを確認しているほか、化学物質についても各国の基準に従って適宜管理を行っています。

 

当社のフィルタを使用したマスク工場の落成式(2020年12月)
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当社のフィルタを使用したマスク工場の落成式(2020年12月)

サプライヤーの評価

製品の品質を維持し、不良品発生率を減らすことも、社会や環境に対する責務と考えます。そのため、原材料や部品を納入いただくサプライヤーについて、品質、コスト、納期はもとより、法令遵守や財務など経営の観点、また安全や環境管理の観点からも評価を行うとともに、2~3年おきに監査を実施しています。
サプライヤーが運営する工場への監査について、2020年度は以前から取引のある15社に加え、新たにベトナムの18社に訪問し、監査を実施しました。
 

パートナーたるサプライヤーとの連携

2020年度は、コロナ禍によるロックダウンが納期に影響を与えることも多く、特に重要な取引先とは、週に一度のミーティングを欠かさずにコミュニケーションを図ることで、供給が途切れないように管理してきました。また、コロナ禍の影響が出る以前は、年間30~40社のサプライヤーへの訪問と定期ミーティングを行っていました。2021年は、意見交換の場としてWebを使った「パートナーズミーティング」を7月に実施。全世界から25社にご参加いただき、サプライチェーン上の課題の共有を行いました。

 

リモートにて実施されたパートナーズミーティング
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リモートにて実施されたパートナーズミーティング

サプライチェーンにおけるBCP

今回のコロナ禍では、世界中でサプライチェーンの途絶が起こり、限られた調達先に依存することのリスクが浮き彫りとなりました。当社でも、これを機に調達の多極化に踏み出し、調達地域を分けるマルチ化を基本としてリスクの軽減に努めています。また、既存のサプライヤーに対しても、多極調達を進めることを推奨しています。

 

お客様からのご評価

当社はお客様より数々の評価をいただいています。今後も引き続き、高品質の製品・サポートの提供を通じて、顧客満足度および企業価値のより一層の向上に努めてまいります。